ホンのさわり

阪神間の山手住人が話すことば

昔から不思議に思っていたのは、僕の住んでいる阪神地域の言葉のこと。地理的には、大阪と神戸の間に位置するので、大阪弁や神戸弁の混合タイプとなるはずですね。 たしかに、そういった関西弁を話す人たちも多いです。しかし、神戸の東灘区・芦屋・西宮、と…

マーク・ハッドン 「夜中に犬に起こった奇妙な事件」(ハヤカワepi文庫)

裏表紙には「全世界で舞台化された感動の物語」と書かれています。でも、そんなにも大げさな感動があるわけではありませんでした。 発達障害傾向のある少年が、いろいろな困難を少しずつ乗り越えて成長していくお話です。一般の人には奇妙に思える振る舞い(…

「発達障害」の子を育てることから学ぶ

昔よりも「発達障害」が、ひろく知られるようになりました。本屋さんに行くと、関連した書籍をよく見かけます。 うちの子はみんなと違う、そのことで悩んでいる保護者の方もたくさんおられます。いろいろ試行錯誤し模索ながら、子育てをなさっているのです。…

エマニュエル・トッド『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』(文春新書)

著者は、フランス国立人口学研究所 フランスの歴史人口学者・家族人類学者。(←どんな学問なのかまったく見当がつきません(^^;) 研究のなかで、ソ連崩壊やアメリカでのトランプ政権誕生、イギリスのEU離脱を予言したと言われています。なんだかすごそうな人…

「村上春樹とイラストレーター」(ナナロク社)

久しぶりに、心斎橋の「スタンダードブックストア」に出向きました。たしかここだったと思ったところは、若者向きの服屋さんになっておりました!とうとう「スタンダードブックストア」も閉店に追い込まれたのかぁ〜残念!と思いましたが、それは早合点(^^;)…

「降灰」をなんと読む?

降灰とは灰が降ることですね。火山灰が降ってくるようなときに使います。僕は「こうはい」と読んでました。小学生じゃありませんから声を出して読んだりはしませんが、黙読しているとき心の中で「こうはい」と言ってました。 高島俊男さんの「本が好き、悪口…

灘中生のカバンも重い!

吉田信夫「超有名進学校生の数学的発想力」(技術評論社)で、超有名進学校A校と記載されている学校はおそらく灘中・灘高ですね。著者は、現役予備校「研伸館」の有名数学講師さんです。超有名進学校生の数学的発想力 日本最高峰の頭脳に迫る (数学への招…

伊藤洋志「ナリワイをつくる」(ちくま文庫)

先日の大阪北部の地震で小学校のブロック塀が倒壊、通学中の女子小学生が圧死する痛ましい事故が起こりました。危険性が指摘されていたのに、見過ごされたのですから、人災でしょう。ブロック塀、見た目も悪いし危険。こんなブロック塀をぶっ潰す愉快なグル…

「安心して絶望できる人生」(NHK生活人新書)

ときどき、古本屋さん巡りをする我が息子。あちこち探しても「全然見つからん!」と言っていたお目当ての本が、なんと我が家にあってビックリ(゜д゜)その本は、向谷地生良・浦河べてるの家「安心して絶望できる人生」(NHK生活人新書)定価799円(税込み)です…

東山彰良さんも「エルモア・レナード」ファンでした(^^)/

少し前、村上春樹さんがエルモア・レナードを高く評価している、ということを書きました。その後、作家の東山彰良さんも、熱烈なエルモア・レナードのファンだと判明しました。<ジョン・ラッセルは無口な奴[レビュアー]>のタイトルで、村上春樹訳の『オ…

「新明解国語辞典」に老人宣告される(^^;)

キノシタ現在68歳 固有名詞がパッとでない、頭髪に白いものが増える、など忍び寄る老いを感じることはしばしばあります(^_^;)しかし、愛読書の国語辞典「新明解国語辞典」(三省堂)から老人宣告されようとは思いませんでした。新明解国語辞典 第6版 並版作…

エルモア・レナードがブームになるか?

エルモア・レナード。僕の好きな作家の一人です。人気作家の黒川博行さんも「エルモア・レナードをよく読みました」と講演会で話していました。このお二人、ちょっとだけ味わいが似てますね。雑誌「MONKEY」(Switch Publishing)の第7号(2015年秋冬号)で、…

三浦展「毎日同じ服を着るのがおしゃれな時代」(光文社新書)

むかし学校に通勤していたときも、家庭教師で生徒さん宅で勉強を教えている今も、たいてい同じようなスタイルです。 ジャケットかブレザー、チノパン、ワイシャツはボタンダウン。なんとか先生っぽい感じに仕上がります。ブランドはJ-PRESS。 家では、もっ…

堀尾輝久「現代社会と教育」(岩波新書)

家庭教師のお仕事は、受け持った生徒さんの成績を上げること、そして希望する学校に入学させることです。しかし、学校の目的もそれだけになるのはいいことなのか? 難関大学にどれだけ多く送り込むか、まるで予備校のような学校が子どもたちの成長にとってど…

人事部は出身高校もチェックしている

就職試験だけでなく、いろいろな場面で人物の評価するにあたって、学歴もその1つの要素です。学歴はふつう出身大学を意味することが一般的です。ところが、就職試験においては出身大学だけでなく、出身高校も指標にしているとのこと。「週刊東洋経済」(2016…

門倉貴史「ワーキングプア いくら働いても報われない時代が来る」(宝島社新書)

次から次へとワイドショーを賑わす社会的・政治的話題が湧いてきて、貧困・格差の深刻な問題の影が薄くなっていますが、年収200万円以下で暮らす人の割合は、この本が書かれた2006年以降も減っていません。プアになるのは本人の努力不足?自己責任?そんなこ…

文系と理系の対立を越えて

斎藤孝さんの「できる人はどこがちがうのか」(ちくま新書)に、こんなことが書かれています。「理系」と「文系」と二分されることが多いが、果たしてそれがいいことなのかと。「できる人」はどこがちがうのか (ちくま新書)作者: 斎藤孝出版社/メーカー: 筑…

小倉千加子「風を野に追うなかれ」(学陽書房女性文庫)

数学キノシタの現在の仕事は、数学を教える家庭教師です。でも、数学をうまく教えることは仕事全体の1/4のような気がします。あとは、生徒の成長を辛抱強く待つことが、1/4を占めます。では、全体の半分は何かというと、ちょっと表現しにくいのですが、その…

「勘九郎ひとり語り」(集英社文庫)「九ハン十二チョウって知ってる?」

昨年暮れ、拙ブログ(12月13日付)で探偵ナイトスクープ「偶数の方が得!?」の話題から、丁半ばくちの必勝法?のことを書きました。その必勝法とは ............................................................................ 2つのサイコロの出目の合…

朝日新聞「be」(2016.11.05)

朝日新聞土曜版「be」の「フロントランナー」欄、毎週楽しみにしています。今日紹介されているのは、「どろんこ保育園」を主催する「どろんこ会」理事長の安永愛香さん(42)インタヴューの中のこの箇所に、思わず頷いてしまいました。....................…

誕生日に勢古浩爾「定年後7年目のリアル」(草思社文庫)を読む(^^;)

きょうは、キノシタの誕生日(^_^)v 67歳になったんです。毎年、誕生日をうれしく迎えております。「誕生日はうれしくない、また年とるから」という同年配もいらっしゃる。でも、僕は誕生日を子どもの頃以上に、目出度いと思います。幼少の頃は、病弱でした。…

「本屋図鑑」(夏葉社)

全国有数の書店、ジュンク堂。第1号店は神戸三宮です。その1号店は、三宮センター街にあったダイエーのジーンズ専門店「JOINT」の地階にあったようにおぼえています。ずいぶん広かったなぁ。次にできた国鉄三ノ宮駅東側のジュンク堂サンパル店は、さらに広…

里中哲彦「まともな男になりたい」(ちくま新書)

60代も後半にさしかかっているのに、いまさら「まともな男になりたい」と思い立ってもすでに手遅れですね(トホホ)。 でも、少しは軌道修正できるかもしれません。まともな男になりたい (ちくま新書)作者: 里中哲彦出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2006/0…

松永暢史「この国をダメにした学校教育」(主婦の友新書)

著者は約40年家庭教師として子どもと関わり、いろいろな学習法を開発されました。この国をダメにした「学校教育」―政治家・官僚・企業トップ……ウソつきばかりを生んだ教育 (主婦の友新書)作者: 松永暢史出版社/メーカー: 主婦の友社発売日: 2012/02/06メディ…

水野和夫「国貧論」(太田出版)

日銀の黒田総裁、物価を平均2パーセント上昇させると言い続けてきました。年金生活者の僕は、「そんなに無理してあげなくてもなぁ」と思っております。「日銀=物価の番人」と社会科で習ったような…… それでも、物価を上げることが日本経済の発展につながる…

 梅田望夫「ウェブ進化論」(ちくま新書)

この本を読んでいて、忘れていた記憶がまざまざと思い出されました。大学の工学部の北側にあった計算機センターに学部生と大学院生時代、毎日のように通っていたときのことを。ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)作者: 梅田望夫出版社/…

村上春樹「村上さんのところ」(新潮社)

イラストって、本の雰囲気にずいぶん影響があるんだなぁと、この本で実感しました。.................... 「まえがき」より引用 ..................これまでずっと一緒に仕事をしてきた安西水丸さんが急に亡くなられ、この企画を始めるにあたって、どうした…

阿部彩「子どもの貧困」(岩波新書)

今日、朝日新聞にこんな投書が載りました。定時制高校元教員によるものです。............... 引用 ........................................... 「水道料金 軽減されないとは」元高校教員酒井慶助(静岡県69) 私は定時制高校の教師でした。水道を止められた…

水島醉「進学塾不要論」(ディスカバー携帯)

最近担当している生徒さん全員が、私立高校私立中学に在籍です。公立学校の生徒さんは一人もいません。たいていの場合、うまく校風に合って楽しく充実した学校生活を過ごしていますが、なかには成績不振でお困りの生徒さんもいらっしゃいます。キノシタも、…

熊代亨『「若作り」うつ社会』(講談社現代新書)

キノシタ66歳。同年代は、再雇用での仕事もそろそろ終了。残された時間をどう過ごしていくのか迫られています。老後と向き合わなければならない年齢です。どのように年を重ね、終末を迎えるのか? どのような老人として生きていくのか、これが案外難しいんで…