ああ、分からない(-_-;)

問題集や参考書の解説を読んでいて、一読しただけでは分からないことがたまにあります(^_^;)
でも、じっくり読めば「ああ、なるほど、こういうことか!」と執筆者の考えが分かります。

ところが、次の問題に対する、数研出版さんの解説は分からずじまいです(>_<)


問題は、2003年の京都大学の入試問題です。

〜〜問〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

a,b,c,dを実数とする。2次の正方行列
A=\(\array{\\{a}\quad{b}\\{c}\quad{d}}\)
と2次の単位行列Eに対して、
集合L(A)をL(A)={rE+sA|r,sは実数}
とする。
このとき、次の条件(*)が成立するための、a,b,c,dについての必要十分条件を求めよ。
(*) L(A)の要素Bは零行列でなければ逆行列をもつ

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これに対して、数研出版の解答は次のようになっています。



〜〜〜〜数研出版の解〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

B=rE+sAとおくと
B=\(\array{\\{as+r}\quad{bs}\\{cs}\quad{ds+r}}\)
から
Δ(B)=(as+r)(ds+r)-bcs^2=r^2+(a+d)rs+(ad-bc)s^2
条件(*)の対偶は、「Bが逆行列をもたなければBは零行列である」すなわち、「Δ(B)=0ならばB=0」である。

[1] b=c=0のとき

B=\(\array{\\{as+r}\quad{0}\\{0}\quad{ds+r}}\)

「Δ(B)=(as+r)(ds+r)=0ならばB=0」
すなわち
as+r=0 かつ ds+r=0となる必要十分条件は、a=dである。


[2] b,cのうち少なくとも1つが0でないとき

Δ(B)=(r+\frac{1}{2}(a+d)s)^2+(ad-bc-\frac{1}{4}(a+d)^2)s^2
=(r+\frac{1}{2}(a+d)s)^2-\frac{1}{4}((a-d)^2+4bc)s^2
「Δ(B)=0ならばB=0」となる必要十分条件は、
(a-b)^2+4bc<0である。

[1][2]から、求める必要十分条件
b=c=0,a=d または (a-d)^2+4bc<0

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恥ずかしながら、私が分からないのは[2]の
『Δ(B)=0ならばB=0」となる必要十分条件は、
(a-b)^2+4bc<0である。』
の部分です。

なぜそうなのか、誰か分かる方はお教え下さい。よろしくお願いいたしますm(_ _)m


なお、この問題は、数研出版さんのこの解のような「対偶をとる」ことをしないでも、ふつうに解けるとおもいます。

機会があれば、私なりの解をお示しします。