「平方」って?

中高一貫校中学2年生のH君、現在「平方根」の勉強中です。「先生、3の平方は9なんですか?」との質問。


思わず「当たり前やがな」と言いそうになりましたが、そこはベテラン(^^;) ぐっと言葉を飲み込んで、「平方ってなんやろね?」と聞くと「平方根のことかな?」と返事が返ってきました。平方と平方根を混同するなんてちょっと心配な状況と言えます。


見れば『体系問題集 数学2代数編(発展)』(数研出版)のp23の11番の問題です。

「次の事柄が正しいか正しくないかをいいなさい」で、
「(1) 3の平方は9である。 (2) -4の平方は−16である。 (3)…」などが問われているのです。


教科書『体系数学2(代数編)』には、「平方根」の説明は「2乗するとaになる数を、aの平方根という」とありますが、この教科書のどこを探しても「平方」とは2乗のこと、という説明はありません。


説明抜きで突然「平方」と言われたら、生徒は戸惑うのが当たり前でしょう。しかし、天下の数研出版が、そんなポカをするはずはありません。


あっちこっちを探してみると1年で使っていたという教科書『「体系数学1(代数編)』に、「2乗のことを平方、3乗のことを立方ということもある。」とちゃんと書かれているではありませんか。もう1年以上前に習ったことですから、H君はすっかり忘れていたのですね。


学習者のことを思えば、平方根のところでも「平方とは2乗のこと」と、再掲しておくほうが親切ではないかと思いました。