教えすぎない授業

今日の朝日新聞朝刊で「花まる先生」欄に紹介されていたのは、珠算(そろばん)の金本和祐先生でした。僕は知らなかったのですが、珠算界ではとても有名な方だそうです。


その先生が、こんなことをおっしゃっています。


≪わたしは昔、学習塾を経営していました。がんばって成績をあげさせて進学校の高校に合格させた子がいました。その子が「先生、学校の勉強どうやっていいいかわからへん」と言いました。ものすごいショックでしたね。
 手をかけて与えすぎたことで、学ぶ力を奪ってしまった。その反省を踏まえ、今の「教えすぎない」授業の仕方を編み出したのです。「あっ、そうか」の瞬間がいっぱいある子は成長します。≫


まったく同感です。家庭教師をしていると、あれこれ教えたくなってしまいます。鉛筆の動きが止まってしまうと、ついつい横からヒントを出したくなります。でも、それが子どもがいろいろ試行錯誤しつつ考えようとする芽を摘んでしまうのです。


いっぱい教えてくれる先生が良い先生と、生徒も保護者も思いがちです。そのことが、先生からの解法を口を開けて食べさせてもらい、鵜呑みにするだけの生徒にしていまいます。自分で考える力が失われるのです。


ほんとうに良い先生とは、考える力が育つよう辛抱強く見守り励ましてくれる先生ではないかと思います。