村上春樹「村上さんのところ」(新潮社)

イラストって、本の雰囲気にずいぶん影響があるんだなぁと、この本で実感しました。

.................... 「まえがき」より引用 ..................

これまでずっと一緒に仕事をしてきた安西水丸さんが急に亡くなられ、この企画を始めるにあたって、どうしたものかと頭を悩ませていたのですが、今回はフジモトマサルさんがあとを受けて、愉快で素敵なイラストを文章に添えて下さいました。

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村上さんのところ

村上さんのところ

フジモトマサルさんのイラスト、見慣れないせいか、それとも安西水丸さんにすっかり馴染んでしまったせいなのか、この本、なにかしっくりこないんですね。


(この本のあとで発行された柴田元幸責任編集「MONKEY」(スイッチパブリッシング)には安西水丸さんのイラストがP6にあって、あるべきものがあるべきところにあるごく自然な紙面になっていました。)

とは言うものの、「そうだ、村上さんに聞いておこう」「これだけは、村上さんに言っておこう」(朝日新聞社)など村上春樹さんの相談本?シリーズは、おもしろいです。

素っ気ないようでいて、ときには上品なユーモアをまぶして、とても誠実に回答されてます。お忙しい毎日でしょうに、人の悩みにきちんと向き合うなんてなかなかできることではありません。僕も、見習わなくては。