教科書全冊の復習をさせている浪人生Hくん、数列の章で次のような漸化式の問題に出会いました。(数研教科書「数学B」P116の14番)
問題は、n=1、n=2、……を代入し、規則性を見つけ出し、一般項を予想して数学的帰納法でそれを裏付けるという方針です。
教科書の問題ですから、規則性はすぐに見つかります。Hくんも解くことができました。
「これって順番に類推しないで、式変形だけで解くことはできないんですか?」とHくん。
さすがですね。去年までなら答えが出たことに満足していたのに、いまでは別解は考えられないか?と一歩成長したわけです。
分数型の漸化式は、両辺の逆数を考えることで上手く既知の数列に変形できることが多いのですが、この問題はそうはいかないのです。誘導がないとやや難しいですね。
与えられた漸化式の両辺から2を引くとうまく既知の分数型(逆数を作ることで上手くいく)の数列になります。
両辺から2を引けばなぜうまく解けるようになるのか? 僕がお薦めの大吉巧馬「高速トレーニング漸化式群数列」(東進ブックス)には、こうやれば上手く解けますよ、と解法は記載されていますが、なぜそうすれば上手くいくのか理由までは説明されていません。
モノグラム「漸化式」(科学新興新社)にも理由は書かれていません。
手元にある参考書のなかでは、秦野透「漸化式の解法頻出パターン徹底網羅30」(技術評論社)が唯一、グラフを用いてその理由を解説しています。
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なお、入試問題で巧妙な式変形をしなくてはならない漸化式の問題は、たいてい誘導のための設問が設けられているので、あれこれたくさんのパターンを暗記する必要はないでしょう。