微積分、公式を覚えて計算は機械的にできるんだけど、その意味やイメージがはっきりしないなぁ、と思っている高校生に良い本が出ました。6月10日発行の新刊ほやほや、湯気が立ってますよ(^_^)

ヴィジュアルガイド 物理数学 ~1変数の微積分と常微分方程式~
- 作者: 前野昌弘
- 出版社/メーカー: 東京図書
- 発売日: 2016/06/10
- メディア: 単行本
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「大学1年生程度の読者を想定して……」(はじめに)と書かれているように大学生を対象にした本です。たしかに、10章(線形微分方程式)以降は高校数学の範囲外ですが、1章(関数)から9章(常微分方程式序論)までは、ほぼ高校理系数学の内容です。
タイトルは「物理数学」。でも中身は1変数微積分の「数学」の本です。(物理の内容は光学のフェルマーの原理などほんのわずかだけ)
「ヴィジュアルガイド」と謳っているように、図・グラフがこれでもかというくらい多用されていてイメージをつかみやすいです。
本文は固い教科書的文体でなく、かといってくだけすぎない程度のいい頃合い。また、読者を「?」な気分にさせないよう、かゆいところに手が届く脚注も充実。
なにより、式変形がていねい、話の流れがスムースで読者が置いてきぼり状態になりません。
こんな良い本を大学生だけに限定してはもったいない。数3を勉強する高校生もいちど書店で手にしてもらいたいです。