夏休みだけの期間限定で引き受けた生徒Nさん(須磨学園高校1年生)。回数が限られているので苦手な単元に絞って勉強することにいたしました。彼女が選んだのは「場合の数・確率」。この単元が苦手な人は多いですね。
題材に選んだのは、「坂田アキラの確率が面白いほどわかる本」(中経出版)の巻末にある「問題一覧表」。
新出題傾向対応版 坂田アキラの 確率が面白いほどわかる本 (数学が面白いほどわかるシリーズ)
- 作者: 坂田アキラ
- 出版社/メーカー: 中経出版
- 発売日: 2006/12/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 3人 クリック: 31回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
初歩的な問題からちょっと難しい問題まで92題揃っています。ただし、キノシタの解法は、著者とやや違うところがあるので敢えて本文はほとんど使用しませんでした。
キノシタの方針は「すべてを数え上げるつもりで」(麻生雅久さん)や「むだな記号や公式を使わず、Cとn!のみを使う」(箕輪浩嗣さん)という原則です。式だけを操るのではなく、具体的に書き出し数え上げさせて、イメージや意味をしっかりとらえるようにすることです。
たとえば、円順列。機械的に(n−1)!で答えようとします。5人の円順列なら(5-1)!で24通り。答を見ると合っていますね。でも、私の場合はさらに「ふ〜ん、この答合ってますか? ほんとに24通りなのかなぁ?」と不審がり、「いっぺん、Aさん・Bさん・Cさん・Dさん・Eさんの5人が円卓を囲むとして、すべての場合を書いてみてよ」と、書き上げさせます。
これが、案外できないのです。重複したり、抜けたり。
甲南女子高校で教えていたときも、期末考査で5人の円順列を具体的に書かせる問題を出していました。規則性にしたがって図を書く生徒ばかりではありませんから、採点が大変だったんですが……(^^;)
さて、生徒Nさん。8月末の「第2回 全統高1模試(記述式)」を受験。数学の第5問(配点50点)は「場合の数」でした。まだ正式の成績データは届いていませんが、解答冊子での自己採点ではここを完答!
いままで苦手でよく間違えて悔しい思いをしていただけに、とても喜んでいました。そんなNさんの笑顔を見ると、夏休みの勉強が役立ってよかったなぁ、と私までうれしくなりますね(^_^)v