前回、「陽性率」について少し書きました。
この陽性率、入試問題でもときどき扱われるテーマです。
たとえば、2015年の岐阜薬科大学にこんな問題が出ていました。
【問】
ある病気Xにかかっている人が4%いる集団Aがある。
病気Xを診断する検査で、病気Xにかかつている人が正しく陽性と判定される確率は80%である。また、この検査で病気Xにかかっていない人が誤って陽性と判定される確率は10%である。
(1)集団Aのある人がこの検査を受けたところ陽性と判定された。この人が病気Xにかかつている確率はいくらか。
(2)集団Aのある人がこの検査を受けたところ陰性と判定された。この人が実際には病気Xにかっている確率はいくらか。
【きちんとした解答】
でも、なんだか記述が大変ですね。
そこで、実際に人数を定めて具体的な人数で確率を求めてみましょう。
【集団Aを1000人とした解答】
集団Aの人数を1000人とします。
病気Xにかかっている人数は
1000人×0.04=40人
病気Xにかかっていて検査で陽性の判定された人数は
40×0.8=32人
病気Xにかかっていて検査で陽性の判定されなかった人数は
40-32=8人
になります。
一方、病気Xにかかっていない人数は
1000-40=960人
このうち、誤って陽性と判定された人数は
960×0.1=96人
陽性と判定されなかった人数は
960-96=864人
です。
表にまとめると以下のようになります。
(1)
陽性と判定された人数は
32+96=128人
この中で病気Xにかかっているのは32人だから求める確率は
32/128=1/4=0.25
ゆえに25%
(2)
陰性と判定された人数は
8+864=872人
この中で病気Xにかかっているのは8人だから求める確率は
8/872=1/109=0.0091……
ゆえに約0.9%
具体的に個数(人数)の比で考えた方が楽ですね。
※問題文では確率を%で表しています。解答を一般的に分数で表示するべきか、それとも問題文に合わせて%で示すか。受験生は迷ったかもしれません。