「陽性率の入試問題さらに、見つかるような気がします。」と今月の18日に書きましたが、ほんとうにまだありました。
旭川医科大の2018年入試です
●ある臓器にできる腫瘍Xは悪性と良性の2つの型に分けられ、同時に両方の型であることはない。
実際にXがある人とない人の割合は3%と97%であり、Xがある人のうち,悪性の人と良性の人の割合は1:2である。そして、腫瘍Xがあるかないかを調べる検査Yについて、次の事が知られている。
(1)悪性のXがある人にYが用いられると、95%の確率でXがあると判定される。
(2)良性のXがある人にYが用いけれると、80%の確率でXがあると判定される。
(3)Xがない人にYが用いられると、90%の確率でXがないと正しく判定される。
ある人が,この検査Yを受けることになった。このとき、次の確率を求めよ。
(1) この人にXがあると判定される確率
(2) Xがあると判定されたとき、悪性のXが実際にある確率
(3) 悪性のXが実際にないとき、Xがないと判定される確率
2019年には、薬学部のある武庫川女子大で出ていました。
●ある国では人口の1%がある病気Aを患っている。この国における病気Aの簡易検査では,病気Aを患っている人のうち85%が要精密検査と判定され、病気Aを患っていない人のうち90%が要精密検査とは判定されない。
(1) この国において、無作為に選ばれたある人が、病気Aを患っているにもかかわらず簡易検査で要精密検査とは判定されない確率を求めなさい。
(2) この国において、簡易検査で要精密検査と判定された人の中から無作為に選ばれたある人が、病気Aを患っていない確率を求めなさい。
医歯薬系の入試問題に多い印象がありますが、意外にも文系でも出題されていました。
青山学院大経済学部(2018年)の出題です。
●あるウイルス検査法では,感染者が陰性を示す確率は3%、非感染者が陽性を示す確率は1%である。ある地域の住民のうち2%がウイルス感染者として、この地域の住民1人をこの検査法で検査したとき、
(1) 陽性と判定される確率を求めなさい。
(2) 陽性と判定されたときに、実際には非感染者である確率求めなさい。
このタイプの問題は、有名な安田亨「ハッとめざめる確率」(東京出版)や僕がおすすめの広瀬和之「合格る確率」(文英堂)には取り上げられていません。
条件付き確率をちゃんと勉強しておけば大丈夫とは思いますが、医歯薬志望者は陽性率がらみの問題を数題経験しておくのが望ましいです。