”差” が、わからない??

数学を教えてかれこれ半世紀。恥ずかしながら和と差の”差”が分かりません。

ことの発端は、生徒と確率の勉強で傍用問題集「4step」(数研出版)を解いていたときです。 

確率の一番最初のページにある、肩ならし的問題レベルの86番です。

....................引用..................

[86] 2個のサイコロを同時に投げるとき、次の確率を求めよ。
(1) 大きい目から小さい目を引いた差が3になる確率
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こりゃ~お茶の子さいさい!

(大きい目,小さい目)が(6,3)(5,2)(4,1)の3通り。すべての目の出方は6×6=36通り。したがって求める確率は3/36=1/12ですね。

ところが数研出版の解答は1/6 ガーン!

不思議に思って解説を読んでみると
(大きい目,小さい目)が(6,3)(5,2)(4,1)の3通り以外に(大きい目,小さい目)が(3,6)(2,5)(1,4)の3通りも数えていて、計6通りになっていました。

私は、(大きい目,小さい目)が(3,6)(2,5)(1,4)の場合、大きい目から小さい目を引いた差はマイナス3であって、3ではないと考えたのですが……

 ところで、同じく数研出版の傍用問題集「サクシード」に似たような問題があります。278番です。

 ...................引用..................

[278]大小 2個のサイコロを同時に投げるとき、次の確率を求めよ。
(2) 出る目の差が3である確率
.........................................

この場合なら(大きいサイコロ,小さいサイコロ)が(6,3)(5,2)(4,1)(3,6)(2,5)(1,4)の6通りあります。したがってその確率は、この問題集の解答通り6/36=1/6 であると思います。

「大きい目から小さい目を引いた差が3」とは、「引き算の結果の絶対値が3」であることを意味するのでしょうか?

 ”差”どは一体何なのか? 岩波数学辞典にも載っておりませんでした。