キノシタ式「三角関数のグラフの描き方」

三角関数のグラフを取り上げます。
シンプルな
y=sinθy=cosθ は、それぞれの θ=0θ=-\frac{1}{2}π、  θ=π  などの値がパッと思い浮かべばすぐ描けますね。

y=tanθ も θ=\frac{1}{4}πで 1、θ=-\frac{1}{4}π で -1 になり、θ=0   で 0 。θ=\frac{1}{2}πθ=-\frac{1}{2}π が漸近線、などに着目して描けるでしょう。

続いて
y=sin(θ-\frac{1}{2}π)
のグラフは、教科書や参考書は
θ 軸方向に、y=sinθ のグラフを \frac{1}{2}π 平行移動します>
と説明してます。

でも、さらに複雑な三角関数のグラフになると、横に延ばしたり、あるいは縮めたり、あれこれグラフがぐちゃぐちゃになってうまく描けないことが生じます。

三角関数で、生徒からの質問が多いのは、このグラフの作図に関するものです。

たとえば、「青チャート数学Ⅱ」の基本例題にある
y=2cos(\frac{θ}{2}-\frac{π}{6})
のグラフです。


青チャートの方針は
1)y=cosθ のグラフを  y 軸方向に 2倍 に拡大
2)これを θ 軸方向に 2倍 に拡大
3)さらに θ 軸方向に \frac{π}{3} だけ平行移動
です。

この方法ですと、上の解答欄のようにグラフが4つも混ざってしまい、ぐちゃぐちゃになって途中でミスも発生しがちです。

採点者(←私のようなズボラな)は、θ 軸との共有点、最大値や最大値とそのときの θ の値しか見てませんから、そこを逆手にとってグラフを書こうというのがキノシタ式です。

次回は、その方法をお伝えします。