川上正光は元祖二刀流?

少くして学べば、則ち壮にして為すことあり
壮にして学べば、則ち老いて衰えず
老いて学べば、則ち死して朽ちず

これは、『言志晩録』第60条の有名な「三学戒」だそうです。
私は知りませんでしたが、確かに一理あります。

『言志晩録』を書いたのは、佐藤一斎。約250年くらい前の儒学者です。

学問を勧める方法として、こんなことも書いています。

 

『言志四録(三)言志晩録』川上正光全訳注〈講談社学術文庫〉より

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勧学の方は一ならず。各其の人に因りて之を施す。称めて之を勧むること有り。
激して之を勧むること有り。又、称めず激せずして、其の自ら勧むを待つ者有り。猶お医人の病に応じて剤を施すに、補瀉一ならず、必ず先ず其の病を察して然するがごとし。
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家庭教師の私もうなずく一節です。

さて「川上正光全訳注」の「川上正光」になんとなく見覚えが、、、、

調べてみると、電子工学の権威。東京工業大学長岡技術科学大学の学長にもなられてバリバリの理系。
半世紀前、わたしもこの人の書かれた「電子回路」シリーズ(共立全書)を読んでいたのです。ですから、見覚えがあったんですね。

理系も文系も立派な仕事をなさった川上正光さん、文武両道ならぬ文理両道。元祖二刀流と言えましょう。