ホンのさわり

小原雅博「コロナの衝撃」(ディスカヴァー携書)

私たちの暮らしに大きな影響を与えている新型コロナ。これに関する出版物が数多く書店に並んでいます。 これらの本の著者の多くは、医療関係者や生物学者など各分野の専門家です。その主張はそれぞれ異なっていて、たとえばワクチンに関しても、「有効である…

新書・文庫は「本」でない?

井狩春男さんの「返品のない月曜日」(ちくま文庫)を東京堂書店で買って、今まで積ん読状態でした。 eisuukinoshita.hatenablog.com 井狩さんは、かつて取次の鈴木書店(いまはありません)で働いていて、手書きの情報紙「日刊まるすニュース」(ほんとに毎…

「本の雑誌」はやっぱり熱い!

「本の雑誌」に連載されていた坪内祐三さんがお亡くなりになったとき(2020年1月13日61歳、心不全)、2ヶ月後の「本の雑誌」2020年4月号は、坪内氏の追悼号でした。 本の雑誌442号2020年4月号 本の雑誌社 Amazon 同じく同誌に連載していた西村氏賢太氏、今年…

「教養」ってなに?

「校訓」や「教育目標」に良く掲げられている「教養」という言葉。 たとえば、「円満な人格と高い教養を身に付け」「幅広い教養を身につけた自立する市民の育成」「教養を高め豊かな人間性を培い」「知・徳・体の調和を重んじ、豊かな教養と正しい判断力を身…

関接って?

ちくま文庫の新刊『「世間」心得帖』を読んでます。 「世間」心得帖 (ちくま文庫) 作者:嵐山 光三郎 筑摩書房 Amazon 著者の嵐山光三郎さんは、もともと雑誌の編集長をしていたこともあって、顔が広い。この本にも、いろんな人にまつわることが書かれていま…

「座右の書」でビックリ

文芸評論家の池上冬樹氏が、朝日新聞の書評欄(10月2日)で、森村誠一「老いる意味」(中公新書ラクレ)をとりあげ、「このように至るところに新鮮な箴言があり、それがなんとも力強い。老いることの勇気を与えてくれる座右の書だろう」と、絶賛。 座右の書…

「文系?理系?」(ちくまプリマー新書)

多くの高校では、2年生ですでに文系コース・理系コースに分かれています。その選択は、高校1年生の冬にはしなくてはなりません。 ややもすると、数学が得意か苦手か、程度の安易なレベルで決めてしまいがちになります。長い人生、たかだか16歳で、自分の人生…

「いかに崩すか難関大学への数学」の序が熱く語る

3ヶ月ほど前に、東大に合格するには数学の問題を3000題くらい暗記したらいい、という塾のことを書きました。 eisuukinoshita.hatenablog.com 先日、『いかに崩すか難関大学への数学―理系版』(中村 英樹)を読んでいたら「序」にこんなことが書いてありまし…

学生課の金城さん

雑誌「popeye」(2018年3月号)の特集は、<二十歳のとき、何をしていたか?>。 さまざまな分野でいまでは有名になっている人たちが、どんな青春時代を過ごしていたのか、インタビューに答えています。 POPEYE(ポパイ) 2018年 3月号 [二十歳のとき、何をして…

コーリー・アルソフ「独学プログラマー」(監訳:清水川貴之 日経BP社)

コーリー・アルソフ「独学プログラマー」(監訳:清水川貴之 日経BP社)を読んでいたら、コラム欄にこんなことが書かれていました。 独学プログラマー Python言語の基本から仕事のやり方まで 作者:コーリー・アルソフ 発売日: 2018/03/20 メディア: Kindle版…

「ソ-シャル・ディスタンス」は、誤用?

月刊誌「本の雑誌」(本の雑誌社)7月号に、翻訳家の青山南さんがサイクリングで、娘さんとお孫さんとで、中野区立哲学堂公園に行ったときのことが書かれています。 本の雑誌445号2020年7月号 発売日: 2020/06/12 メディア: 単行本(ソフトカバー) この公園…

算数の家庭教師は

ときどき、算数の家庭教師をしてもらえませんか?という依頼をされることがあります。大学入試の難しい数学を教えられるんだから、小学校の算数くらい教えられないはずがない、と思っておられるのかもしれません。 しかし、10歳前後のお子さんの発達段階や…

平松洋子「すき焼きを浅草で」で、今野書店と再会

いまか今かと待っていた平松洋子さんの新刊「すき焼きを浅草で」(文春文庫)を、ようやく入手。 すき焼きを浅草で (文春文庫) 作者:洋子, 平松 発売日: 2020/05/08 メディア: 文庫 「マボロシのちゃんぽん」の項に、西荻窪の[今野書店]が登場。しかも、20…

「直感を裏切る数学」(ブルーバックス)で陽性率を考える

毎日まいにち、新型コロナの報道が延々と…… ハァ、気が滅入ります。 関連する数字もややこしいです。陽性率、感染率、実効再生産数に基本再生産数……。いろいろ言われてもね?? そういえば、神永正博「直感を裏切る数学」(ブルーバックス)に、陽性率に関連…

中野民夫「ワークショップ」(岩波新書)

一方的に話を聞く授業・講演・セミナーと違って、「ワークショップ」は参加者が主体的に課題発見や問題解決などに向けて討議したり共に作業します。今ではその有効性が広く知られるようになり、すっかり定着しています。 この本が発行されたのは、およそ20年…

中沢孝夫「転職のまえに」(ちくま新書)

学者さんの説く観念的なお話しではありません。一人の労働者として仕事をしてそれなりに評価されるとは、また評価されるようになるにはどうすればいいのか、ハウツーでもなくお説教でもなく、解説されてます。 転職のまえに (ちくま新書) 作者:孝夫, 中沢 筑…

「できるだけ塾に通わずに、受験に勝つ方法」(松永暢史)

いままで担当した生徒さんのなかで、私立中学に合格したものの入学後の成績が低迷しお困りになって……というケースがかなりあります。 私が住む阪神間では、中学受験が当たり前のような風潮があり、その多くは塾で受験勉強をします。 学校とは違った塾での勉…

尾木直樹「学力低下をどうみるか」(NHKブックス)

教育評論家尾木直樹さんが、「尾木ママ」と呼ばれる以前の著書です。今から、やく20年まえ。学力低下論争がありました。 この本は、尾木氏の学校五日制や総合学習、ゆとり教育などを擁護する立場の本です。(以下の引用部分は、はしがきからです) 「学力低…

橘木俊詔「アメリカ型不安社会でいいのか―格差・年金・失業・少子化問題への処方せん 」(朝日選書)

橘木俊詔さんは経済学者。その研究対象は幅広いく、格差の問題に関する著書も多いです。この本もそのうちの一つ。 アメリカ型不安社会でいいのか―格差・年金・失業・少子化問題への処方せん (朝日選書) 作者: 橘木俊詔 出版社/メーカー: 朝日新聞社 発売日: …

本明寛「なぜ電車の席は両端が人気なのか」(ふたばらいふ新書)

書名「なぜ電車の席は両端が人気なのか」は、単なる“つかみ”で、そのことについてだけを解説した本ではありません。ひとの振る舞いや行動パターンを通して、その人の心理的傾向を探っていく内容です。 今までは否定的に考えられていた心理的特性の人にも、肯…

『AI vs 教科書が読めない子どもたち』(東洋経済)

関西で言えば、関関同立に合格できる性能に成長した人工知能「東ロボ君」で有名な新井紀子さんが、衝撃的な本を出しました。『AI vs 教科書が読めない子どもたち』(東洋経済)です。 【2019年ビジネス書大賞 大賞】AI vs. 教科書が読めない子どもたち 作…

阪神間の山手住人が話すことば

昔から不思議に思っていたのは、僕の住んでいる阪神地域の言葉のこと。地理的には、大阪と神戸の間に位置するので、大阪弁や神戸弁の混合タイプとなるはずですね。 たしかに、そういった関西弁を話す人たちも多いです。しかし、神戸の東灘区・芦屋・西宮、と…

マーク・ハッドン 「夜中に犬に起こった奇妙な事件」(ハヤカワepi文庫)

裏表紙には「全世界で舞台化された感動の物語」と書かれています。でも、そんなにも大げさな感動があるわけではありませんでした。 発達障害傾向のある少年が、いろいろな困難を少しずつ乗り越えて成長していくお話です。一般の人には奇妙に思える振る舞い(…

「発達障害」の子を育てることから学ぶ

昔よりも「発達障害」が、ひろく知られるようになりました。本屋さんに行くと、関連した書籍をよく見かけます。 うちの子はみんなと違う、そのことで悩んでいる保護者の方もたくさんおられます。いろいろ試行錯誤し模索ながら、子育てをなさっているのです。…

エマニュエル・トッド『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』(文春新書)

著者は、フランス国立人口学研究所 フランスの歴史人口学者・家族人類学者。(←どんな学問なのかまったく見当がつきません(^^;) 研究のなかで、ソ連崩壊やアメリカでのトランプ政権誕生、イギリスのEU離脱を予言したと言われています。なんだかすごそうな人…

「村上春樹とイラストレーター」(ナナロク社)

久しぶりに、心斎橋の「スタンダードブックストア」に出向きました。たしかここだったと思ったところは、若者向きの服屋さんになっておりました!とうとう「スタンダードブックストア」も閉店に追い込まれたのかぁ〜残念!と思いましたが、それは早合点(^^;)…

「降灰」をなんと読む?

降灰とは灰が降ることですね。火山灰が降ってくるようなときに使います。僕は「こうはい」と読んでました。小学生じゃありませんから声を出して読んだりはしませんが、黙読しているとき心の中で「こうはい」と言ってました。 高島俊男さんの「本が好き、悪口…

灘中生のカバンも重い!

吉田信夫「超有名進学校生の数学的発想力」(技術評論社)で、超有名進学校A校と記載されている学校はおそらく灘中・灘高ですね。著者は、現役予備校「研伸館」の有名数学講師さんです。超有名進学校生の数学的発想力 日本最高峰の頭脳に迫る (数学への招…

伊藤洋志「ナリワイをつくる」(ちくま文庫)

先日の大阪北部の地震で小学校のブロック塀が倒壊、通学中の女子小学生が圧死する痛ましい事故が起こりました。危険性が指摘されていたのに、見過ごされたのですから、人災でしょう。ブロック塀、見た目も悪いし危険。こんなブロック塀をぶっ潰す愉快なグル…

「安心して絶望できる人生」(NHK生活人新書)

ときどき、古本屋さん巡りをする我が息子。あちこち探しても「全然見つからん!」と言っていたお目当ての本が、なんと我が家にあってビックリ(゜д゜)その本は、向谷地生良・浦河べてるの家「安心して絶望できる人生」(NHK生活人新書)定価799円(税込み)です…