おおたとしまさ「不登校でも学べる」(集英社新書)

手抜きの目次録シリーズ、今回は、おおたとしまさ「不登校でも学べる」(集英社新書)です。

著者のおおたとしまさ氏は、教育ジャーナリスト。中学受験に熱心なご家庭向けの本を多く書かれている印象をもっていただけに、不登校に関するこの本は、ちょっと意外でした。

 

この本の「はじめに」から引用いたします。

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 不登校をテーマにした本は、たくさんあります。多くは、わが子の不登校に強い不安を感じている親の心に寄り添ってくれるような本です。当事者による体験談も人気です。不登校が起こる原因や構造を学術的に解明しようとする本もあります。

 でもこの本は、いずれでもありません。             、

 多くの親がイメージする一般的な「学校」に行かなくても、学べる場所がこれだけあると紹介する本です。

 むしろそうすることで 「学校」に行かなくてもいきなり詰んだりはしないと伝えたい。むしろ学校なんて選択肢の一つでしかないとみんな思える社会にしていきたい。つまり社会として、学校に依存しすぎるのをやめましうという提案です。
 
 子どもの人生における学校の比重を減らせれば、子どもたちが学校で感じるストレスは減るはずです。そうすれば、不登校はもちろん、いじめだって減るはです。
 
 第一章では   データを多用しながら、不登校をめぐる社会の動きを確認します。
 
 第二章では、比較的気軽に、スポット的に利用できる学びの場を紹介します。ホームスクーリングをしている方々の話からは、家でもできるオンライン教材などの具体名も出てきました。
 
 第三章では、学校に籍を置きながら利用できる、学校の出先機関のような施設やサービスを紹介します。
 
 第四章では、不登校経験者に特化して受け入れる学校(←原文には傍点あり)を紹介します。学校と傍点を打ったのは、文部科学省が認める正式な学校ではない学校も含まれているからです。
 
 第五章では、いまどきの通信制高校事情を紹介します。「通信制」とはいっても、自分の好きな日数だけ無理せずに通えるフレキシブルな学校としての通信制高校が増えているのです。
 
 第六章では、今回の現場取材を通して見えてきた不登校“支援”の課題、学校制度の問題点を、これまでのさまざまな教育現場での取材経験と重ね合わせながら、私なりの視点でひもときます。

 でもこの本は、ガイドブックではありません。どういう性格の場所が、実際にはどんな雰囲気で、どんな心意気をもったひとたちによって運営されているのかをできるだけ丁寧に描こうと思っています。
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巻末に自分のことを、学校の先生よりも駄菓子屋のおじさんのほうがキャラに合っている、と書かれているのを読んで、より親近感をもちました。