おじさんだって「乃木坂46」を聴くのだ

先日、ジュンク堂西宮店でぶらぶらしていたら、突然「あっ、キノシタ先生や!」という声が聞こえたかと思いきや、どしんと女の子がぶつかってきました。と、同時にちょっと甘い香りがします。おぉ懐かしい! Mさんです。

高校時代、シャンプーの良い香りの生徒が多い中、彼女はココナッツオイルの愛好家。髪のトリートメントにも、入浴剤代わりにもココナッツオイル製品を使っているそうでした。ですから僕のMさんのニックネームは、ここなさん。とても人なつこく、愛想が良くて、人の懐にさっと入っていける特質の持ち主。それでいて、勉強もしっかりして成績も良い生徒さんでした。

早いですねぇ。この春、もう大学を卒業するそうです。社交的で専攻は観光ビジネス、てっきり旅行会社かホテルに勤めるのかなと思いきや、IT関連企業に就職。4月からはしばらく東京で研修漬けとのことです。

 「わたし、いまこの曲にはまってるんです!ねぇねぇ、ちょっと聴いてくださいよ~」と、スマホを取り出しYouTubeで聴かせてくれたのは、まったく知らなくて歌詞も聞き取りにくい曲です。

 でもMさん、もう僕のことはそっちのけで、無心に聞き惚れながら曲を口ずさんでいます。大学生なのにほとんどノーメイク。その清楚な横顔は、まるで女子校生時代をまだやめてないみたいです。 

彼女がはまっているのは、乃木坂46の『帰り道は遠回りしたくなる』。何度も聴かされると歌詞もだんだん分かってきました。居心地のよい馴染んだ場所から新しい道に踏み出す若者を励ます、とても素敵な曲です。今の彼女にぴったりなんでしょう。

 

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 僕は、この『帰り道は遠回りしたくなる』を聴くたびに、ここなさんのことを思い出すことになりそうです。

彼女は、来週から「約3週間ドイツやポーランドなどヨーロッパを旅行するんです」と楽しそう。

良い旅行ができますように、また、社会人として良いスタートが切れますように、と祈りながらジュンク堂をあとにしました。

こんど会うときは、どんな曲に夢中になっているのかな。