数学の有名参考書「チャート」には、いろいろな標語があります。
「絶対値 場合に分けよ」「大小比較は 差を作れ」など。
「(1)は(2)のヒント」というのもよく登場します。
これの発展形で「(1),(2),(3),(4)の問題 (1),(2),(3) は (4)のヒント」もあります(←赤チャート「数学III」p291)
前にある小問が、後ろの問題を解くための誘導になっていることが多いのです。
ところが、ごくまれに逆になっているものがあります。つまり「(2),(3) を解いてしまえば(1)が簡単に求められる」問題です。
九州大学の2017年理系数学の4番(確率と数列の融合問題です)がそうです。
どの参考書もお行儀良く(1)→(2)→(3)の順に解いています。
しかし、確率の遷移図を書いてみると容易に(2)が分かりそうですね。
(2)の解が
と求まりましたから、続いて(3)もそれほど難しくはありません。
そうすると(1)は、この式に と を代入して1/2をかければ簡単に答えになります。
ただ、入試本番で設問(1)は(3)の一般的な解からすぐ導き出せるはず、と思えるかどうかはかなり難しいでしょうね。