もうすぐ夏休みが終わります。宿題を終えた感心な生徒さんがいる一方、「まだ半分くらいしかできてません」という生徒さんも多いです。
さて、数学の宿題は、
(1)教師が作ったプリント
(2)教材業者が作った夏休み用ワークブック
(3)学校指定の参考書
のいずれかです。
(3)の参考書でいちばん多いのが「青チャート」(数研出版)
今夏、私の生徒では、以下の6校で使われています。
海星女子高校 開明高校 親和女子高校 市立西宮高校 市立葺合高校 明星中学
それに対して
「ニューアクション」(東京書籍)は、県立芦屋国際高校の1校だけ。
「フォーカスゴールド」(啓林館)も須磨学園高校だけです。
現場の教師の支持率が高い「青チャート」。
でも、ほとんどの生徒には荷が重いですね。わたくし、夏休み中「青チャート」の説明に明け暮れたと言ってもいいくらいです。
入試問題を意識した「重要例題」はもちろんのこと、基本を定着させる「基本例題」ですら難しくてよくわからない、という高校生が多いです。
「青チャート」の問題を解ける、解けなくても解説を読めば理解できる生徒はかなり数学ができるレベルです。
個人指導を受けていない大半の生徒は、提出日に間に合わせるため、解答書の丸写しをしているのではないでしょうか。これでは力は付きません。
身の丈に合わない「青チャート」が、多くの学校で採用されるのか不思議です。
高校時代数学が良くできていた現高校教師が、「むかし自分が使っていたから……」とそのまま使っているのか?(昔は、ふつうのチャート(いまの赤チャート)か青チャートしかありませんでした)、
むか~しから代々「青」使っているからなのか、それとも黄や白を使うのはプライドが許さないからか、「青」でなければ保護者からクレームがあるからなのか?
チャート式なら「青」でなくて「白」で十分だと思います。キッパリ!
こんなことを言うのはキノシタだけだと思っていたら、「語りかける数学」シリーズで有名な高橋一雄さんも「つまずき克服!数学学習法」(ちくまプリマー新書)で、強く白チャートを薦めておられます。
現在、僕の生徒さんで白チャートを採用している学校は「関西学院千里国際高等部」だけです。すばらしい!
逆にいちばんハイレベルといわれている「赤チャート」を買わせているのは、大阪教育大学付属高校(池田)です。ただし、宿題や考査には使っていないようですが、わざわざ赤チャートを持たしておくなんて、これはこれですごいです。