受験参考書の「データの分析・統計」単元の継子扱い

先日、入試数学「実力強化」問題集(駿台文庫)を購入。評価の高い入試用問題集です。

冒頭に、「高校数学全分野の問題を収録」と宣言し、続いてこうあります。

.............. 引用 ...................

学習効果を考慮し、系統的に学べるように配列しました。
ただし、主要大学の入試問題を意識して、データの分析・統計関連は未収録です。
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この本だけでなく「データの分析・統計関連」を扱っていない受験参考書は意外と多いのです。

「真解法への道!数学ⅠAⅡB」(東京出版)もそうですし、

 

「数学ⅠAⅡB 上級問題精講」(旺文社)にもありません。

 

月刊「大学への数学」は、毎号ごとに特集単元が組まれますが、「データの分析・統計関連」の号はありません。

 

しかし、今まではこの単元を扱わなかったのに、版を改めた時点で方針転換した参考書もあります。「数学Ⅰ・A標準問題精講」(旺文社)です。改訂版まではこう宣言して

含まれていませんでしたが、それ以降の版では「第9章 データの分析」でしっかり扱われています。

 

「データの分析・統計」に関する出題は多くはありませんが、筑波大など国立大や慶應大など有名私大でも出されています。そのことに配慮したのかもしれません。

現高3の「数学B」は、「数列」と「ベクトル」がメインで、「確率分布と統計的な推測」は添え物扱いでした。ほとんどの高校では、履修しないまま終わっています

ところが、新課程での「数学B」は、「数列」と「統計的な推測」の2単元のみ。(ベクトルは「数学C」に移行です)

「データサイエンス」が一時の流行でおわるのか、それとも今後ますます重要視されるのか、受験参考書の方針にも影響が出そうです。