数学は三千通りくらい暗記すれば東大は受かる!?

きょうの朝日新聞で「HUG STA」に、おおたとしまさ氏(教育ジャーナリスト)とたかまつななさん(お笑い時事ユーチューバー)の対談が載っていました。

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びっくりしたのは、大学受験のときにたかまつさんの通っていた塾のお話。「数学は三千通りくらい暗記すれば東大は受かるからと、すごい分厚い参考書を解かせようとするんです。」 まぁ!なんとトンチンカンな塾でしょう。

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お母さんがその塾を辞めさせのは、正解! お母さん、えらい!

 数学をひたすら暗記させるのは、指導者としては楽チンかも。英単語のノルマを決めて、どれだけ覚えたか小テストをやり続けるのと同じように、数学を進めればいいのですから。

でも、それで数学の力が付くのでしょうか? 

たしかに、考える科目の数学だって暗記は必要です。たとえば、九九を覚えるのは必要です。でも、31×47や53×97をひとつひとつ覚える必要はありませんね。計算の方法さえ身に付ければ九九を土台にして、答を導き出せます。

基本的な公式・定理や定石的な解法をしっかり身に付けたら、あとはパッと見て歯が立たないかも、と思うような問題と10~20分くらい格闘することが必要です。このいろいろ考えた経験が、本番の入試で見たこともない問題を目の前にしたときに活きてくるのです。


 

数研出版問題集の解答がネット上に!

数研出版の問題集を使う高校は多いですね。それぞれ問題集には、別冊の詳しい解答集が付いています。
しかし、その答を丸写してしまう生徒がいることを恐れてか、解答集を配らない学校もあります。
別冊解答がなくても、各問題集の巻末に答だけは書かれていますが途中式はなく、どうしてそうなるのかは全く分かりません。自学自習を促すのであれば、別冊解答も配布すべきでしょう。

そんな別冊解答をもらっていない生徒さんたちに、救世主が登場!
「自学自習のための数学解答2020」(https://kaito.click/)です。

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いま、アップされているのは以下の問題集の解答です。 

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 「オリジナル数学演習受験編」などの解答も待ち遠しいですね。
なお、もし数研出版社に無断でこのような解答集を作成した場合、いつまでもネット上にある続けられるのかは心配です。

Nくん、進級おめでとう!

昨夜、元生徒のN君から久しぶりの電話がありました。
「せんせ、3年生になれたで!」と弾んだ声。彼は三浪して兵庫医科大学に入学。 

eisuukinoshita.hatenablog.com

 兵庫医大は、医師国家試験に高い合格率を誇っていて、国公立私立あわせておよそ80の医学部のなかで、常に10位以内の成績です。
そのため「国試予備校」と陰口を言われるほど、勉強がハード。進級も厳しいハードルがあって、留年してしまう生徒もいるようです。

N君も、各教科の試験以外に進級するための試験があって、残念ながらパスできず。幸いにも再試験を受けることができることになったものの、再試験での合格は相当難しいそうです。

「浪人時代よりも勉強した。一生の中でいちばん勉強した。寝てるかごはん食べるか勉強してるかの日々やった」そうで、再試験を無事突破。4月には晴れて3年生に。

多浪生は留年する率が高い、と聞いたことがあります。そんな心配をしているのを知ってか知らずか、わざわざ昔の家庭教師に知らせてくれて、とてもうれしいです。
そして、10年前には考えられないようながんばり屋さんに成長していて、なんだか感激です。

往年の私的名店(1)……竹園第三別館・金宝酒家など

昨今、外食の機会が激減。美味しいものを食べたい、友人と食事を楽しみたい、そんな気持ちをかかえたまま毎日を過ごしています。

先日、古い手帳が奥深いところから出てきてパラパラしていたら、食べ歩いていたころの記録を発見。1980年代ですから、40年ほど昔の記録。

食べログ」どころかインターネットもなかった時代。「パソコン通信」(死語?)もほとんど広まっていなかったと思います。

関西の食雑誌「あまから手帖」の創刊が1984年。その前だと「ワンダフル神戸」なんかを頼りに行きたいお店を選んでいたのでしょう。知り合いの口コミも情報源でした。

店名を見て、まったく思い出さないところもあれば、お料理の味、お店の雰囲気や情景がありありとよみがえってくるお店もあります。

あぁ、なつかしい!! 

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上にある3ページの中で強く印象に残っているのは、つぎの4店です。

[金宝酒家]:得体が知れない陽気で怪しいご主人(^^;) がらくたを並べたような雑然とした民家風。店内の色調は暗い赤。再開発後のきれいになってからは行ってない。初めて蛙を食べたのはここだった。すでに閉店。

[香味屋]:東京根岸の洋食屋さん。白いテーブルクロスにナイフとフォーク。ミンチカツにナイフオ入れたとたん、肉汁があふれ出たのが鮮烈でした。なぜ東京まで出かけたのか、思い出せない。まだ、健在。

[マルセン]:六甲道の宮前商店街。老夫婦のお人柄がそのまま反映したしみじみと優しい味の中華料理。すでに閉店 

[竹園第3別館]:わが家の定番外食店でした。竹園ランチ、上すき鍋定食、インドネシア風焼きそば、金田正一が考えた?スタミナ定食。すでに閉店。


汚い画像で申し訳ないですが、数回続けます<(_ _)>

 

「鉄緑会」講師が語る、数学勉強のコツ

鉄緑会の蓑田恭秀氏が「東洋経済オンライン」に、数学勉強法について書かれています。東大に限らず難関校大学入試数学には、とても参考になる記事です。

「数学で良い成績を上げるには、ようするに解法パターンの暗記だ!」論についても、わたしの思うところと同じことを述べておられます。ある局面では正しいし、ある局面では弊害を生む、ということです。

その他、重要と思われる個所を引用しておきます。

(全文は https://toyokeizai.net/articles/-/382120 でご覧ください)

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■東大に受かる生徒・落ちる生徒
 世間で「数学は暗記か」という命題が取り沙汰されることがありますが、答えはイエスでもあり、ノーでもあります。というのは、この質問への答えは学習フェーズにもよるし、解く問題にもよるからです。

 入試数学の基礎を学んでいくフェーズでは暗記の割合が大きいでしょう。たくさんの公式が出てきて、それを適用する練習をさらにたくさんしなければなりません。そこにオリジナリティーを発揮する余地はありません。

 これはスポーツでも同じです。野球でもテニスでも柔道でも水泳でも体操でもゴルフでも、まずは基本の「型」を徹底的に身に付けることから始まります。それには長い時間がかかります。

 数学の勉強でも同じです。数学の論理展開にも、答案の書き方にも、一定の「型」があり、それを逸脱した答案というものは、オリジナリティーなどというものではなく、単に相手にされないだけです。「自己流」はダメです。

もちろん、無機的に暗記するというより、「基本動作を何度も何度も繰り返し、自分の身体に覚えさせる」という意味合いのほうが強いです。

 ただ、それだけで東大入試を突破できるかと言えば、さすがにそんなことはありません。

 「型」だけで対応できる問題ももちろん出題されはしますが、一定以上のレベルの入試問題について言えば、そのような問題では受験生の間で差はつかず、そうでない問題で差がつくわけです。「型」を身に付けるのは、差がつくレベルの問題に挑戦するための必要条件にすぎず、それだけでいいなんてことは絶対にありません。

■定石 vs 思考力
 たまに、「数学はパターンを暗記すれば大丈夫だ」と言う人がいます。その意図もわからなくもないのですが、それと同時に、そう言い切るための根拠も薄いと思います。何を「パターン」と呼ぶか、何を「暗記」と呼ぶか、その場で必要なアイデアがどれくらい浮かぶか、などの人による部分、そして目標とする大学の入試問題のレベルによる部分の両方ともが大きすぎるからです。

 入試における数学では、新しい問題にぶつかったときに「それまでの経験・知識をどのように応用するか」という部分が大切になってきます。したがって、中高6年間の学習の中のどこかのタイミングで、「型を身に付けるフェーズ」から「型を応用するフェーズ」に学習姿勢を切り替える必要があるのです。

新しい問題にぶつかったときに適切な解法が浮かぶかどうかは、どれだけの解法を覚えてきたかではなく、どれだけ自分の頭で考えてきたか、そしてどれだけ数学的な頭の動かし方ができるようになっているかによります。

「数学的な頭の動かし方」をせず、解けなかった問題について解答を読んで理解し覚えようとする勉強。これが最もやってはいけない勉強です。覚えようとすることは、理解することを放棄することにほかなりません。

 覚えればどうにかなるだろう、という考えの人は、新しい問題に対して試行錯誤をしたがりません。そんなことをしている暇があったら、模範解答を読んで理解して覚えたほうがいいと思ってしまう。そして覚えようとして、思考停止に陥る。そうしている間にも新しい問題はどんどん出てくる。ひとたびこの「覚える病」にかかってしまうと、そこから抜け出すのはなかなか難しいです。

 自分の頭で考える時間を長く取ってこなかった人は、その分模範解答とにらめっこする時間が長かったのだと思いますが、模範解答は基本的に、このような実験や試行錯誤を経たうえで答案用に体裁を整えた“よそ行き”のものです。

 模範解答の作成者も、そこに書いてあるとおりに考えたのではありません。そのことを知らずに模範解答を一生懸命理解しようとするだけでは、数学はできるようにはなりません。その裏にある、(時にもっと泥臭い)解法のアイデアにたどり着くまでの考え方を探る努力をしなければなりません。

■人に教えることをイメージする
 そう言われても実際にどうすればいいのかわからない、という人もいるでしょう。そのときに最も大事なことが、

「人に教えることをイメージして勉強する」

 ことです。問題を解き終わり、理解したと思っても、そこで終わらず、その問題を一から人に説明できるかを試してみてください。その際の相手としては、自分よりも少し下のレベルの人をイメージしてください。自分よりも数学が少し苦手な“架空の後輩”などを頭の中に住まわせておいて、その後輩に向かって説明するイメージです。
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蓑田氏が力説するように、自分の頭で考えることはとても重要です! しかし、それほど入試が難しくない大学を受験する場合、「基本の「型」を徹底的に身に付けること」だけで合格点に達するように思います。

まずは、教科書の問・例題や、たとえば白チャートの「基本例題」を体に染みこむまで、繰り返してください。

パスポート更新は、今のうちに!

月日の経つのは速いです! 10年間のパスポート有効期限(?)が、もうすぐ終わりそう、とハタと気がついて、三宮国際会館にある旅券事務所に出かけました。

だ~れも居ません! 係員以外私たち夫婦のみ。シーンとしていて、かけっぱなしのTVから国会中継の音声だけが聞こえています。

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手続きは、スイスイ。待ち時間ゼロ。ずいぶん待たされた10年前とは、えらい違いです。

新型コロナが流行って良いことなんか全然ないなぁと思ってましたけれど、今回の記録的短時間パスポート更新は、たった1つ良かったことですね。

さて、更新したパスポート、いつか使える日がくるんでしょうか?