≪2018年私的ベスト1≫

2018年も今日でおしまい。恒例の私的ベスト1で今年を振り返ってみました。

★家庭教師お仕事部門
 MN君が兵庫医科大学に合格したことです。一浪はさせてしまいましたが、念願の医学部(医学科)に入学できてほんとうに良かったです。

★美味しい部門
<国内部門>
すでに、拙ブログで書いておりますが、「星のや」(軽井沢)の食事処[嘉助]のコースで出されたステーキ。追加料金を払っただけのことはありました。すばらしいお肉でした!!(http://d.hatena.ne.jp/eisuumanabu/20180804

<海外部門>
これもすでに書いておりますが、香港で泊まったホテル隣接のチョコレート「Venchi」のジェラート。これだけを食べに、また香港に行きたいです。(http://d.hatena.ne.jp/eisuumanabu/20181102/1542000051

★本部門
悲しいことに、年々読書量は減っています。それでも、お仕事関係以外に、文庫は50冊以上、新書も30冊以上は読んでおります。そのなかでマイベストは、こうなりました。

<国内部門>
大澤めぐみ『6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。』(角川スニーカー文庫

女子高生が主人公の青春小説。舞台は信州。年末のどの書評誌にもまったく取り上げられていませんが、マイベストです。
女子高生峯村セリカが魅力的。だが、なんと言ってキノシタの心をぐっと掴んだのは、ほんのちょい役でしか登場しない冴えない中年男で工場作業員の正弥。この男のかっこよさにしびれました! 

<海外部門>
ジャナ・デリオン『ワニの町に来たスパイ』(創元推理文庫

主人公はCIA女性工作員のレディング。秘密工作のはずがど派手なことをしでかしたため、田舎町に身を隠すことに。ところが、そこでも事件勃発。適度にドタバタコメディ的味付けのある楽しいミステリです。続編の『ミスコン女王が殺された』も面白い。地元婦人会のアイダベルとガーティのご老人お二人も良い味出してます。

<参考書部門>
広瀬和之『合格る確率+場合の数』(文英堂)

この分野の参考書について、麻生雅久さん・坂田アキラさんの著書を紹介してきました。2年前発行された広瀬和之さんのこの本も初歩からハイレベルまで、細かい項目分けで親切な参考書と思います。

★うれしかったひとこと部門
12月中旬、甲南女子高校の卒業生達(現大学4年生)とビストロ[ペリ亭](芦屋)でささやかながら就職内定祝いを行いました。おしゃべりが弾む楽しい会になって、食事も一段と美味。その席で、金融機関に内定したIMさんが、横に座っているANさんを指さして「ANちゃん、理想のだんなさんはキノシタ先生みたいな人って、高校時代ず〜と言ってたんよ」 有名航空会社のCAに内定した才色兼備ANさんから、そんなふうに思われていたなんて。お世辞にしてもうれしい一言でした。

★びっくり部門
屋台[いくちゃん]廃業!!! 
阪神御影駅北側に、暑い夏も木枯らしが吹き荒れる冬も、いつも夕方から屋台を出していた串カツの[いくちゃん]。創業は1964年、東京オリンピックの年ですね。

以前、阪神御影駅が改装されたとき、立ち退きを命じられるのではと心配していたのですが、無事継続。なんとなく未来永劫に続くように思っていたのです。

それが、今発売中の「あまから手帖」(2019年1月号)で、お店が閉じられていたのを知りました。不意打ちを食らったようなショックです。北本のおっちゃん、長い間ご苦労さんでした。来年早々、息子さんがしている[いく亭]に行って、ねぎらいの言葉を託したいと思います。

★かっこいい男部門
「荒井塾」(神奈川県)の荒井先生
『6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。』の登場人物「正弥」がフィクション中のかっこいい男ベストワンなら、実在人物かっこよさベストワンは、故荒井先生ですね。

テレビ番組「家について行っていいですか」(テレビ東京)で3年前に取材を受け、「その後また尋ねてみました」スペシャルで、今年再び取り上げられていたのをたまたま見たのです。

3年前、テレビ東京の番組スタッフが[三ちゃん食堂]で昼間から飲んでいる人の飲み代を払う代わりに、家についていったその男性は、いかにも生活破綻者的というか世捨て人風な風貌。神奈川県のご自宅は、案の定乱雑でゴミ屋敷寸前。でも仕事はしていて、個人で「荒井塾」という大学進学塾で教えていたのです。

彼が生徒を教える上でのモットーは、同じ地平からモノを言って上から目線で言わない事。番組中、荒井さんは「世の中にはバカなんていませんから」と言い切っていた。この潔さ。よほど自分の指導に自信が無いとこうは言えません。事実、選抜考査をせず生徒を受け入れ、どんどん有名大学に合格させています。

さて、その3年後荒井さんを訪れてみると、今年2月にガンが見つかり、亡くなる直前の7月まで闘病しながら教壇に立ち、8月20日病院で亡くなっていたのです。

荒井さんは独身。でも、塾の黒板一面は卒業生のメッセージがあふれ、多くの卒業生による偲ぶ会の様子がテレビで紹介されていました。多くの塾生から、とても慕われていたことがよく分かりました。うらやましいなぁ。

生徒の可能性を信じ、共に学ぶ者として同じ目線に立ち、風体を気にせず、利をむさぼらず、死の直前まで指導を続け、死後ですら生徒に慕われ愛されている教師。かっこよすぎますね。