積分区間が から までのとき、被積分関数が偶関数なら
から まで積分した値の2倍になる。
また被積分関数が奇関数なら、その値は になる。
このことは、有名な定積分の性質で、どの数学IIIの教科書にも書いてあります。
でも、それらの積がどのような関数になるのでしょう?
“奇関数×奇関数は奇関数”になる、“偶関数×奇関数は偶関数”になる、
と勘違いしている生徒さんも少なくありません。
3×7=21のように、奇数×奇数は奇数になります。
でも、奇関数×奇関数は奇関数にはなりません!
また、4×5=20のように、偶数×奇数は偶数になります。
でも、偶関数×奇関数は奇関数になります。
このことは、以下のような、シンプルなサンプルで考えてみればすぐに分かります。
奇関数の代表選手として、
偶関数の代表選手として
を選ぶと、
ですから
奇関数×奇関数は偶関数になります。
また
となって、偶関数×奇関数は奇関数になります。
先日、高校2年生のN君と「青チャート数学III」の基本例題215を勉強していたときにも、彼はこのことで混乱しました。
上記の性質をうまく利用すると、普通に計算するよりもちょっと楽になりますね。
(1)の解です。
(2)の解です。