兵庫医科大学の三角比に関する過去問を取り上げたことがあります。
教学社の赤本は、補助線を思い付いて三角形の相似を利用する解答でした。
僕は、生徒の要望に応えて、三角関数の積和公式を利用した補助線なしの別解を作りました。
先日、月刊誌「大学への数学」の増刊「新数学演習」(←ハイレベルの問題が多い)を見ていると、この問題が取り上げられているではありませんか。
こんなコメントが添えられています。
『見かけによらず(?)難問です。まず余弦定理を使ってみると、 と の関係式が得られます。しかし、これが「3倍角」タイプの式であることに気づかないとお手上げでしょう。正弦定理で角の関係式にするほうがどうにかなりそうです。 が方べきの定理の形に見えれば幾何で解決』
『これが「3倍角」タイプの式であることに気づかないとお手上げでしょう。』と言われても、そんなん気づきますか!? プンプン!
その解答を以下に引用します。
(分かりにくい所があるので、グラフや数カ所キノシタが補足や書き換えをしています)
さてさて、この答案で「なんで?」と不思議に思う個所はありませんか?
たとえば、に関しての3次方程式の解。なので、負の解は不適であるとしても、区間[0,1]にも解があるのに、この解はなぜ無視するのか?
(実は>が言えるからなんですよ)
おそらく、こんな答案を入試当日に書き上げられる受験生は、ほとんどいないでしょうね。