いま担当している関西学院高等部3年の生徒さん、夏休みの数学の宿題は「場合の数」と「確率・確率分布」のワークブックです。70題あります。
先日、「31番なんですが別冊の解答を見ても分かりません。とくに(3)は謎です」と生徒さんから質問です。
そりゃ~そうですよね。なんの説明もなしに、式だけ書かれても分からないのが当たり前です!
(3)より簡単な問題(1)の解答は、ちゃんと説明してから式を書いてます。(←でも、どうしてこの式になるのか、この説明だけでは分からない生徒さんもいます。)
ましてや、より複雑な(3)の解答を、まるで判じ物のような意味不明なベン図と式だけで「あぁ、なるほどそういうことか!」と納得できるのは、そこそこ出来る生徒だけです。
僕の説明で(1)(2)の式を理解できたNさん、(3)の式も僕の説明でなんとか理解できたものの「こんなこと、テストではきっと考えつきません!」と、あきらめムード。
そこで、キノシタの別解です。 ≪ 場合の数→具体的に数え上げる ≫ という、原始的な方法です。
最大値5かつ最小値2になる目の組合せは以下の10パターン
(5 5 5 2) (5 5 4 2) (5 5 3 2) (5 5 2 2)
(5 4 4 2) (5 4 3 2) (5 4 2 2)
(5 3 3 2) (5 3 2 2)
(5 2 2 2)
そして、たとえば (5 5 5 2) なら (5 5 2 5) (5 2 5 5) (2 5 5 5) と目が出てもでもいいのですから4とおり。敢えて式で書くなら
また、(5 4 4 2) なら (5 4 2 4) (5 2 4 4) (4 5 4 2) (4 5 2 4) (4 4 5 2) (4 4 2 5) (4 2 5 4) (4 2 4 5) (2 5 4 4) (2 4 5 4) (2 4 4 5) の12とおり。式ならです。
このように、10パターンそれぞれの目の出方を数え上げると
とおり
6個のサイコロの目の出方は全部でとおり。
したがって求める確率は
=
となって、解答と同じ値になりました。
Nさん、「ちょっと手間はかかるけど、キノシタ先生の別解なら思い付けます」と、表情が明るくなりました。