グラフをどう書くか(縦軸と横軸の比)

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この問題は、神戸大学が2018年(理系後期)に出題した「逆関数積分」を求めるものです。この問題を考えるのに、グラフを書いてみると考えやすくなります。(もちろんグラフを書かずとも正答できますが……)

このグラフ、数研出版のもの(左)が、旺文社(中)や月刊「大学への数学」のもの(右)とかなり違っていました。

 

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そこで、x軸とy軸を同じ長さが同じ値の座標を表す座標平面をつくり、その上にグラフを書いてみました。

 

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こう見てみると、数研出版のグラフはx軸方向がかなり強調されたものになっていることがわかります。


この問題の場合、グラフはあくまで参考程度なので、それほど神経質にならなくて良いのですが、僕なら生徒に説明するときには、旺文社のものを用いるでしょう。


なお、月刊「大学への数学」(2018年8月号)紙上で、安田亨先生は上記の問題に触れ「これは頻出タイプといえば頻出タイプです。」とコメントされています。

キノシタは、逆関数積分ってそんなに多く出題されていないように思います。分厚い参考書「FOCUS GOLD 数学III」(←いい参考書です!啓林館)には、逆関数積分は例題に取り上げられていません。

 

Focus Gold数学3

Focus Gold数学3

 

 

 とは言え、本番でまごつかないために、一度は経験しておくべきタイプの積分だと思います。(青チャートのEXERCISES196は同タイプの東大の問題です) 

 

チャート式基礎からの数学3

チャート式基礎からの数学3