大学でも数学に苦戦

(前回の続きです)

入試に失敗してからの浪人生活時代の記述はありません。(この時代は、駿台・代々木ゼミ・河合塾などの大手予備校は関西になく、大阪のYMCAか阪急御影にあった大道学園に通う浪人生が多かったです。)

一浪後、めでたく大学(おそらく京都大学)に入学。そこでもたちまち数学に苦労します。

『なんとか(1年遅れで)目標の大学に入学できたものの、いわゆる「大学の数学」は一段と敷居が高かった。 まず解析学(微分積分)の最初の時間に登場した数列や関数の極限についての「 ε―δ(イプシロンーデルタ)」論法にはついていけなかった。2年次の終わりに専門課程へ進学(分属)する際、説明会で数学科主任・伊藤清教授(確率論の世界的権威)の「数学科へ入る資格はε―δが理解できていればよい」という極めて単純明快な説明に、自分には数学科は絶対ダメだと心底納得した。』

『私は、 あこがれの湯川秀樹先生のいる物理学科へ進学したものの、そこで受けた講義「物理数学」、特に「複素関数論」はなかなか理解ができなかった。「群論」もまるで分らなかった。湯川先生は講義で我々にアインシュタイン一般相対性理論の手ほどきをしてくれたが、「リーマン幾何学」に現れる曲率テンソルやクリストッフェル記号などという恐ろしい記号の意味がまるで理解できなかった。』

ありゃ、大学でも数学の落ちこぼれ?
卒業後どうなるのでしょう……

(つづく)