隣接3項漸化式 特性方程式の解が虚数の場合は?

今年1月10日の記事で、次のような漸化式を取り上げました。

一般項を求めようと、定石通りに「特性方程式」を解いてみたらなんと虚数解!想定外でしたね。

問題(福岡大学医学部の入試問題)自体は、第7項と第8項を求めるものですから、既知である初項と第2項を使って第3項を求め、次に第2項といま求めた第3項を使って第4項を求める。このように順次しりとり的に求めていけば、第7項が1/2、第8項は1、であると分かります。

実は、第7項は初項と、第8項は第2項と同じになっています。周期が6である循環的に同じ値をとる数列だったんです。

ですから、一般項をnの式で求めて、n=7,n=8を代入することはしなくてよかったんです。

では、一般項は求められないのか? この不可解な特性方程式虚数解に意味はないのか?という疑問が湧いてきますね。

求められなくはないですが、数学Bだけでなく数学III(ドモアブルの定理)やそれ以外の知識も少し必要です。

これを先ほどの一般項の式に代入してみましょう。



では、これが正しいか検算してみましょう。第7項と第8項でチェックします。

合ってました(^^)/ ヤレヤレ。

説明していない定理も天下り的に使っていますから、分かりにくかったかもしれません。なかなか大変でした!

入試問題では、こんな解法でしか解けない問題は出ませんね。順番にしりとり式に求めていけば、たいていどうにかなります。

注:
2019-12-11の記事(https://eisuukinoshita.hatenablog.com/entry/2019/12/11/000000)や
2019-11-07の記事(https://eisuukinoshita.hatenablog.com/entry/2019/10/28/000000)も併せてお読みください。